世界でも稀な革命と言われる明治維新。
各国の反体制組織がこの明治維新を教科書に、革命を行ない成功した組織もあれば失敗した組織もある。
時代は経ても教科書とされる、燦然(さんぜん)と輝く革命である明治維新の最大の功労者として名が挙がる維新の三傑(木戸孝允・西郷隆盛・大久保利通)及び坂本竜馬の中で、筆頭にランクインするのは西郷隆盛を挙げるという人も非常に多いと思う。
その西郷の正妻・西郷いとを、女傑伝の第一弾として今回は取り上げます。
いとの人生及び生き様は、現代の女性にも相通じるものが必ずある。
それに、参考にして欲しい。
現代の女性にいとのような生き方のような格好良さを、理解して欲しい。
いとは、西郷に嫁ぎ、遮二無二働いた。
西郷家は、大家族であった。
それも、西郷家は大家族なのに極貧であった。
西郷実父の多額の借金。
そして、金に無頓着で正道のためにだけ邁進する旦那である西郷の生き様から、改善の見込みも無い借家生活。
しかし、いとは何も文句は言わなかった。
大家族で極貧。
そんな家族を抱えている主人であれば、その大家族を食べさせるために一路邁進せざるおえないというのが常識である。
しかし、いとは旦那である西郷の類稀(たぐいまれ)なる可能性を信じていた。
それを、我が家族ではなく国民のために活かして欲しい。
家族を守れる男は数多く存在するが、国民を守れる男は極稀(ごくまれ)。
自らの伊達ではない苦しさに窮状(きゅうじょう)を訴えるのではなく、目線は国民の平和に向いていたのである。
これ自体が、いとの大きさを表している。
女性だけが持つ、母性本能そのものであろう。
「自分よりも、周りを守る」
自己犠牲の包み込むような本能を母性本能と位置づけるが、いとにはこれが顕著であった。
だから、西郷は不遇の家庭を顧みずに、正道に邁進する事が出来、世界が手本にする明治維新を成し遂げる中心人物となった。
それにも増して、いとにはこんなエピソードもある。
西郷は、
「英雄色好む」
の格言通り、ご多分に漏れず女性にもモテて、女性が好きであった。
西郷が、幕府の追及から逃避させるために、奄美大島に流刑された。
薩摩藩内の奄美大島に流刑された西郷は、罪人として不遇の生活を送る事になる。
そこで、島の女性に恋をした。
その女性は、愛加那という女性であった。
いとと結婚していた西郷にしてみれば、愛加那は妾(めかけ)であった。
つまり、妾とは端的に言えば愛人である。
三年の島暮らしで、西郷と愛加那の間には二人の子どもが生まれていた。
西郷にとって、この島暮らしは大いに役立った。
盲目になりがちな自分の人生、自分の目指すべき方向を外から眺めて、冷静にこれからの行き先を考えられた。
それに、潤いを与えてくれたのは愛加那との愛だった。
しかし、普通なら正妻のいとからすると許すべき事ではないというのが普通であろう。
だが、いとはここでも女傑っぷりを大いに発揮した。
西郷家に引き取ったいとは、貧困にまた拍車をかけ、憎っくき妾の子どもであるはずの二人を我が子と分け隔てなく育てた。
当時は、島の人は内地へ足を踏み入れられなかった。
しかし、愛加那は我が子に、内地の高等教育を受けさせたかった。
それを、いとは甘受した。
そして、一人は京都市第二代市長・西郷菊次郎。
もう一人は、大山巌元帥の実弟・大山誠之助の妻・大山菊子。
二人を、愛加那の願いどおりに立派に育て上げた。
西郷亡き後は、賊軍の将の親族として、少なからず肩身の狭い思いをした。
しかしそれにもめげず、いとは養蚕で大家族を育て上げた。
そして、1922(大正11)年、79歳の生涯を閉じた。
こんないとの人生は、表面上から見ると、男尊女卑の典型に見えるかもしれない。
しかし、いとにとっては自身の人生は解放されていたのであろうと思う。
つまり、苦難を切り開き、無償の愛情を注ぐ事が、いとの母性本能に訴えかける幸せだったという事になろう。
男性もそうであるが、自由奔放の全てが全て、幸せにはつながらない。
いとは男尊女卑の典型である、黒子に徹せられていたわけではない。
自らが、先頭になって西郷家を守ったのである。
それだけ、旦那である西郷に惚れ、その才能にも惚れていたのである。
つまり、役割を遂行させられているのではなく、自らが進んで行なっている事、いとは幸せを感じていた。
だから、行為的には同一であっても、その人の気持ちで、男尊女卑でも自由にでも大きく変わるが、いとの人生は自分の意思であった。
このいとから、何を学ぶべきか?
それは女性だけではなく男性も学べるものがある。
それは、
1、苦境・逆境・誹謗中傷にめげず、一意専心(いちいせんしん)に物事に集中する事により、大きな事を成し遂げた生き様。
2、愛する人を無償の愛で信じ抜く事で、自分の幸せも獲得した生き様。
3、度量の大きさを演じきる事で、集団の幸せを手に入れ、そして自分への信頼も自動的に獲得する生き様。(偉人とはいえ、その辛酸は想像を計り知れない。その想像を超える苦境は苦しかったはず。しかし、揺らがないように踏みとどまったのであろうから)
西郷いとの生き様には、コーチング論にも通じる奥深きものがある。
人間は、全て女性から生まれてくるもの。
つまり、何に関しても原点は女性が握っているのではないのか。
苦境へのヒントも、女性にあるのかも知れない。
枠を超えるヒントが隠されているであろう女傑伝は、文章の母性本能。
是非参考にしてください。
(2007年10月17日)
- 2008/01/14(月) 13:07:43|
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